土曜日の図書館
「シールドの守りは絶対ですから安全かとは思いますが、くれぐれもシールドの枠から抜け出したりしないようにして下さいね。
私も戦闘の場に身を置けば我が身優先になりますので。
小澤さんの無茶に気付かない可能性大ですから。」

「大島さんの身優先で全然大丈夫だから。
それに俺は自分が戦えないの知ってるし、無茶のしようがないよ。
大島さんこそ怪我しないようにね。」

「分かってます。」


彼女は小さく頭を下げて白斗達の方へと向かった。


視線を感じて横を向くと、何やらニヤニヤ顔をした桃依がいる。


「なに…その顔…。」

「ねぇねぇーボク、ずっと気になってたんだけどね。」

「何が?」

「颯と凛ってどういう関係なの?
恋人じゃない…よねぇ?」

「うっ…!」


…そうだった。こいつ、年の割には鋭いんだった…。


「恋人じゃないよ。んなわけないだろ?」

「でも颯、凛のことスキでしょ?」

「へっ?」

「あー図星!?」

「じゃねぇよ!つーかこれからでけぇことしに行くって言うのになんで桃依はそう…。」

「だって気になったんだもん。昨日は訊けなかったし。」


そう言って桃依は愛嬌のある可愛い顔でにっこり笑った。


「行くよー!」


白斗の声と同時に、作戦はスタートした。

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