土曜日の図書館
水竜の背に乗って
体長は軽く5メートルを越えている。
見上げすぎて首が痛くなるくらいだ。
炎竜とは違い、目の青が落ち着いた印象を醸し出していて、激しさや獰猛さもあまり感じない。


気がつくと彼女たちも森の中に降り立っていた。


俺は目の前にいた長らしき水竜と目線を合わせた。
その瞬間、後ろで剣が鞘から抜かれる音がした。


俺は振り返って蒼刃の剣に触れた。


「お前…!」

「剣はいらないよ。
向こうからは敵意を感じない。」


水竜が少しずつ集まってくる。
…もう10頭はいるな。大きなもの(それも伝説レベルの存在)に囲まれてるのはあまりいい気がしない。正直言えば怖いし。


でも、『話せる』のは俺しかいないのだからやるしかない。


俺は水竜に目を合わせたまま口を開いた。





「…触って、いいですか?」

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