土曜日の図書館
『そこの少女。』

「え?」

『剣を携えた凜とした少女も我が背に。』

「…大島さん。」

「何ですか?」

「背に乗れって。長直々に案内してくれるらしい。」

「私も…いいんですか?」

「そうみたい。」


水竜は屈んで乗りやすくしてくれたが、それでも彼女の身長はかなり低い。
…いっそ持ち上げた方が安全な気がする。


俺は彼女の両脇に手を入れ、そのまま持ち上げた。


「なっ…なに…!?」

「え?あ…持ち上げた方が安全かなって。」

「おっ…降ろしてっ!」

「はい。」


俺は竜の背にそっと彼女を乗せた。
心なしか顔が赤く見える。
…戦いで火照ったのか?
それにしても彼女の軽さは思ってた以上だった。
華奢だとは何度も思ったけれど…想像以上だ。


「こっちは準備オッケーだよー?」


ふと周りを見渡すと、蒼刃と星来、紫紀と緑志、桃依と白斗で水竜の背に乗っていた。
俺は彼女の後ろにすっと乗った。


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