土曜日の図書館
「すごいすごいすごーい!こーんな風を全身に受けるなんて生まれて初めてーっ!」
「桃依…はしゃぎすぎだよ。確かにこんなに空を近くに感じたことはないけどさ。」
「…高いな。」
「そりゃあ竜に乗っちゃってるし。紫紀って高所恐怖症だっけ?」
「そういうわけじゃない。ただこんなに高い場所まで来たことは未だかつてない。」
「僕もだよ。」
「…うわぁ…どこまでも行けそう…。」
「なんだよその能天気な感想は。」
「はぁー?じゃあ蒼刃はどう思ったの?」
「竜使いこなせるようになったら最強だよなーとか?」
「サイッテー!」
「なんでだよ!?」
別の竜の背で繰り広げられる『本の中』のキャラクターたちの会話。
本を読めばリアルに感じられる彼らを、こんなにも『身近』に感じることなどあっただろうか?
彼らは本の中を『生きている』。
それは確かで、その本の中で同じ時間を俺たちは生きた。
「不思議だよなぁ…。」
「何がです?」
「ここにいることも、こうしていることも、彼らに出会ったことも。
夢みたいだけど夢じゃない。感覚として確かにある。」
「…そう…ですね。」
彼女がそう頷いた瞬間。
突風が前の方から俺たちを襲った。
「桃依…はしゃぎすぎだよ。確かにこんなに空を近くに感じたことはないけどさ。」
「…高いな。」
「そりゃあ竜に乗っちゃってるし。紫紀って高所恐怖症だっけ?」
「そういうわけじゃない。ただこんなに高い場所まで来たことは未だかつてない。」
「僕もだよ。」
「…うわぁ…どこまでも行けそう…。」
「なんだよその能天気な感想は。」
「はぁー?じゃあ蒼刃はどう思ったの?」
「竜使いこなせるようになったら最強だよなーとか?」
「サイッテー!」
「なんでだよ!?」
別の竜の背で繰り広げられる『本の中』のキャラクターたちの会話。
本を読めばリアルに感じられる彼らを、こんなにも『身近』に感じることなどあっただろうか?
彼らは本の中を『生きている』。
それは確かで、その本の中で同じ時間を俺たちは生きた。
「不思議だよなぁ…。」
「何がです?」
「ここにいることも、こうしていることも、彼らに出会ったことも。
夢みたいだけど夢じゃない。感覚として確かにある。」
「…そう…ですね。」
彼女がそう頷いた瞬間。
突風が前の方から俺たちを襲った。