土曜日の図書館
「なんですか?」

「あーなんでもないよ。
それより何か欲しいものないの?高すぎるものは無理だけど出来るだけ頑張りたいんだ。」

「どうして小澤さんが私に?」

「そこは後でじゃダメ?」

「構いませんが…じゃあ私も物じゃなくてもいいですか?」

「…モノによるけど聞くよ。何でしょうか?」

「小澤さんのオススメの本を教えていただきたいです。」


彼女は俺の目を真っすぐ見てそう言った。
…これが『彼女の場合』かぁ。


「そんなんでいいの?」

「それがいいんです。」

「あーじゃあさ、12月24日に一緒に本屋行こうよ。そこで俺のオススメ本買ってあげる。」

「いやあの…わざわざ買っていただかなくても…。」

「いいから。とりあえず24日、空けといてよ?」

「あ…はい。分かりました。」

「約束。」

「…約束は守ります。」


一般論は『アクセサリー』
彼女の場合は『俺のオススメ本』


…彼女の場合が読めるようになるのは一体いつになるんだか…。


*fin*

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