土曜日の図書館
二人の距離
* * * * *
2月14日。
バレンタインデーは明らかにお菓子メーカーが儲けるために設定されていると思う。
ホワイトデーも然りだ。
「あの…小澤さん。」
「はい?」
後ろをくるっと振り返るとそこにいたのは茶髪の長い髪をくるんと巻いた女子大生らしき女の子。
手には…
「あのっ…これ、受け取ってください!」
「え…いやあの…困ります。」
「小澤さん、彼女はいないって聞いたんですけど…。」
「…誰から聞いたんですかそれ?」
「黒瀬さんから…。」
「ったくあの人は…。」
後で文句を言うことは決定だが、とりあえずこの場をなんとかしなくてはならない。
「受け取るだけでいいんです!お願いします。」
「でも…。」
一応勤務中だし、実際は正直言って本当に困る。
去年はモノ自体は困らなかったけど、大量のチョコを持っている姿を見られた時の対応がとにかく大変だった。
今年はモノ自体もすごく困る。
欲しいのは彼女のモノだけだから。
「受け取るだけ受け取ってください!」
目の前の女の子は強硬手段に出た。
俺の手にチョコを押し付けて、バタバタと走り去って行った。
2月14日。
バレンタインデーは明らかにお菓子メーカーが儲けるために設定されていると思う。
ホワイトデーも然りだ。
「あの…小澤さん。」
「はい?」
後ろをくるっと振り返るとそこにいたのは茶髪の長い髪をくるんと巻いた女子大生らしき女の子。
手には…
「あのっ…これ、受け取ってください!」
「え…いやあの…困ります。」
「小澤さん、彼女はいないって聞いたんですけど…。」
「…誰から聞いたんですかそれ?」
「黒瀬さんから…。」
「ったくあの人は…。」
後で文句を言うことは決定だが、とりあえずこの場をなんとかしなくてはならない。
「受け取るだけでいいんです!お願いします。」
「でも…。」
一応勤務中だし、実際は正直言って本当に困る。
去年はモノ自体は困らなかったけど、大量のチョコを持っている姿を見られた時の対応がとにかく大変だった。
今年はモノ自体もすごく困る。
欲しいのは彼女のモノだけだから。
「受け取るだけ受け取ってください!」
目の前の女の子は強硬手段に出た。
俺の手にチョコを押し付けて、バタバタと走り去って行った。