土曜日の図書館
「あらぁ~相変わらず今年も大変おモテになるのね小澤くぅん♪」

「黒瀬さん…。何勝手に人の恋愛事情まで暴露しちゃってくれてるんですか。」

「だってあんまり必死に小澤さんには彼女いるんですかって訊いてくるものだから。
ま、あの子だけじゃないんだけどねー。」

「…少し反省してくれませんかね?」

「おかげで今年も大盛況じゃない。午前中は7個だっけ?」

「そうですが。」

「で、午後は今の子で5つ目と。」

「直接渡されたのは彼女で2個目です。」

「他は受付に届いたんだっけ?」

「おかげで今年もからかわれっぱなしです。どの子にするんだとか。」

「さっきの子は可愛かったじゃない。」

「別にキョーミないんで。」

「小澤くんにはお姫様、いるものね。」

「黒瀬さんまで言いますかそれ!」

「だって小澤くん、目立つしねぇー知らないでいる方が無理じゃない?」


黒瀬さんはしれっとそう言った。


「そーですか。」

「で、現在までのチョコ12個はどうするの?」

「適当に皆さんで分けてください。」

「あらやだサイッテー!そんなことしちゃうの?彼女いないのに?」

「彼女いなくても好きな子いるんだから仕方ないでしょう!」


…やば。これは黒瀬さんの策略に嵌ったと言うべきか。

< 79 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop