土曜日の図書館
「…こうされてるのが…嫌じゃないです。」

「…うん。」

「いっぱいチョコ貰ってること、ちょっと嫌でした。」

「そっか。」

「小澤さんの言葉、信じてもいいですか?」

「どの言葉?」

「私を…好きって…。」

「もちろん。信じてほしい。」

「好きになって…いいんですか?」


彼女は腕の中でゆっくり俺を見上げた。
小さな彼女が余計愛おしく思えて、苦しい。


「好きになって。俺ももっと好きになるから。」

「…はい。」


彼女が俺を見上げたまま優しく微笑んだ。
今まで見た笑顔の中で一番可愛く見えて、ちょっとだけ魔が差した。


彼女の額にそっと唇をあてる。ひんやりとして少し冷たい。


「ひゃあ!な…な…なにをっ…!」

「何って…ちゅー?」

「何をいきなり…こっ…心の準備とか私にだってあります!」

「だって口じゃないし…ダメ?」

「…っ…そうじゃないですけど!でもちょっと離れてくださいっ!」


…ちょっとへこんだけれど仕方がない。
俺は渋々彼女から離れる。

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