キミ色
1:真っ白な心
「櫂!!帰ろうぜ?!」



「おう」



高校生になって早1年。
ついに、先輩と呼ばれる立場であり、先輩と呼ばなければならない、この中途半端な学年になった。



私立月見ヶ丘学園2年
槻丘 櫂(カイ)



1つ学年があがるという事は、1年が終わったという事であり、そして1年が始まると言う事。



1年の時はとにかく初々しかった、とでも言っておこう。



次から次へと来る、初めてのイベント事に追われ、友達も作って、恋人も…



何もかもを両立させる事は難しかったけど、何とか2年生という台まで昇ってきた。



今、隣で歩いてるのは俺の幼なじみであり親友でもある
神埜 時雨(シグレ)



ルックス良し、スタイル良し、性格良し、スポーツ万能、頭脳馬鹿。



頭脳さえ抜けば、完璧なのに…
何たってこいつは、入試で700人中695人目に選ばれた馬鹿だから。



併願の人がいなかったら、時雨は余裕で中卒になっていた。
でも、そういう所があるのが時雨の良いところ。



だって、何でもかんでも出来ちゃ、嫉妬しちゃうだろ…?




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