キミ色
潮風が俺達を包む。
蓮のワンピースがひらひらと風で靡いた。


不安そうな表情を隠しきれない蓮。
そんな顔、見せないでよ…。


俺は、蓮に笑ってほしくて太陽に負けないように笑顔を作った。



「そんなことねぇよ!!大丈夫だから!」


そう言ってぽんぽんと蓮の頭を撫で、蓮が持っていたレジャーシートを取った。



蓮を見ていれば、忘れられる気がするから。
蓮と一緒にいればきっと、頭の中から自然と消えていくだろう。



「ここでいいの?」


蓮に確認を取ると頷いたので、その場所にレジャーシートを敷いた。
その上に次々と荷物を乗せていく。



この時期だからだろうか?
人は全くいなかった。



いるのは俺達3人だけ。
貸切のこの海で、俺達は思いっきりはしゃいだ。



流石に寒くて海には入れないが、足だけを海につけたり、水をかけあったり、ビーチボールでビーチバレーをしたり…



気付けば、太陽がオレンジ色になるくらいまで3人で遊んでいた。
もう、太陽の出番は終わりのようだ。



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