キミ色
ねぇ、花音…
蓮に話すべきなのかな…?


俺の憎んで恨み続けている想い出を─…
俺の人生で一生忘れることなどできない思い出を─…



俺の心の隅っこに封印したこの過去を─……



この静かで穏やかな海を前にしてなら、素直に話せそうな気がするんだ…
強がらずに本心のまま、花音のことを紹介できそうな気がするんだ…



でも、解らないんだ…
話すべきなのかな、、、?


だって、蓮には全く関係のないことなのだから…
あんまり花音のことを他の人に知られたくないんだ。



こんなに悲しい出来事を、簡単に人に言いたくないんだ…



別に蓮を信じてない訳じゃない。
ただ…、俺の心が嫌がるんだ。



ねぇ、花音は嬉しいの?
もう、この世界にはいないのに、紹介されたら嬉しい─…?



嫌じゃないの?辛くないの?苦しくないの…?



ねぇ、花音…
何か言ってよ…?
何か答えてよ…?
あの無邪気な笑顔は、どこに置いてきてしまったの─……?



< 115 / 323 >

この作品をシェア

pagetop