キミ色
「よし、決まり!!ストレスが溜まってる日は酒パに限る!!いえーい!!!」


「いえーいっ!!」



どんどんテンションが上がって行く美波さんと愛依。
もう既にお酒が入ってるんじゃないかと思うぐらいだ。


「MiLky」を出ると、俺達はコンビニに向かって歩きだした。
夏の夜の匂いが、鼻をくすぐる。



この匂いが好きだ。
雨の後の匂いは嫌いだけど…、夏の夜のこの独特の匂いは好き。



「櫂くん、明日学校なんじゃないの?」


俺の隣を歩くお兄が俺の顔を覗き込んでくる。



「そうなんすよ…」


「別に無理しなくても良かったのに。」


「だってあんな顔で見られたら断れる方が逆に凄いっすよ…」



誰だよ、あの苦笑いを作ってたのは…



「あはは、そっか。それは悪かったね。でも、付き合いも大事でしょ?」


「それは…まぁ、、」



「きっと櫂くんにとってプラスになるパーティだよ。僕もこれで救われたんだ…。」



ぷらす?
救われたって…



「え…、それって…?」



「ま、覚悟しといた方がいいよ?美波さんと愛依ちゃんの飲みっぷりは神級だから。」



少し笑いながら小声でそう俺に言うと、お兄はすっとコンビニに入っていってしまった。



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