キミ色
目の前には、それぞれのグラスにつき1本のチューハイ。
俺のグラスの隣にはレモンチューハイがセットされている。



「それじゃ!いきますか?!」


「いっちゃおー!」


「でわでわ…、乾杯ー!!!」


その美波さんの声にあわせてカランと鳴り合う4つのグラス。
中に入っている氷も気持ち良さそうに浮いている。



そして1口含むと、当たり前のように口の中を炭酸が支配した。
その中で仄かに感じるレモンの味。



いつも飲んでるレモンティーとはまた少し違う気持ちの良い味。
さっぱりと喉を刺激するチューハイは、みるみる内に俺によって無くなっていく。



お酒を飲みながらとりとめもない話を続ける4人。
自分が思っていた以上に俺の体にはお酒が入っていく。



「ねぇお兄、おつまみ何か作ってー!!」



その美波さんの言葉に、お兄は立ち上がり台所へと向かった。



「おっけー!」


「あ!お兄、愛依も手伝うよ!!」



そう言うと、お兄に愛依もついて行く。
その姿がまるで俺と空羽のように一瞬見えてしまった。



……空羽。



携帯の時計を見ると、もう12時。
こんな時間に俺は空羽をあの狭い部屋に1人ぼっちにしてるんだ…。



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