キミ色
やっとのことで終業式を終え、教室に戻ると鞄の中で携帯が光っていた。



当たり前のように携帯を開くと、画面には知らないアドレスが並んでいた。




誰…?




不気味に思いながらメールを開けると、その犯人が解った。




《美波さんからアド聴いた!今日シフト代わってあげたんだから、感謝してよね!!》



そう今日は7月20日。
蓮のお願いを聞くタメに、無理をいって愛依に代わってもらったのだ。




《ありがと、愛依。今度なんか奢るよ。》



俺はそう返信すると、愛依をアドレス帳に増やした。



「はーい、みんな席ついてー」



担任の1声でみんなが席に戻ると、先生は悪魔の物体を返し始めた。



そう…悪魔の物体を―…



「次、槻丘くん!」




そんな元気よく呼んでくれなくていいよ。
どうせ、ボロボロなのは予測済みだ。




俺は仕方なく立ち上がり教壇に向かう。



「授業中、寝るのやめてみたら?」



笑顔でそう言った先生が悪魔に見えて仕方がない。
俺は苦笑いを返すと中をあえて見ずに席に戻った。



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