キミ色
「櫂、成績どうだった?」



ニコニコな笑顔でこっちに向かってきたのは蓮だ。
そう、悪魔の物体とは…成績表。



「まだ、見てない。」



「え?何で?」



怖すぎて開けられない。
いつも成績の良い蓮には、とうてい解んないだろ?



「ヤバそうだから…」



「何それ?!そんなの眺めてたって成績変わる訳じゃないんだし!!
あ!じゃあ、蓮が見てあげるよ!」



そう言うと、俺の鞄の上にあった成績表をとろうとした。



「は?ちょっ!」



万が一のところで成績表を守ると、蓮は少し頬を膨らました。



「櫂が見れないっていうから、見てあげようと思ったのにー」



「やっぱ、俺が先に見る!」



もし、欠点なんかあったら蓮に何て言われるだろう…?
確実に馬鹿にされることだけは、はっきりと解る。



俺がそろっと成績表を開こうとした瞬間だった…



俺の鞄の中で何かが揺れたのだ。
そして、その揺れと同時にピカピカと光り続ける機械。



俺は点滅を止めるために咄嗟に携帯を取りだし、開けると画面には《愛依》の2文字が映し出されていた。




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