キミ色
成績表を見せ合いながら、ざわざわと騒がしくなる教室。
いろんな表情が視界の中に次々と入ってくる。



蓮もそんなクラスメイトの1人だ。
そして…、俺の彼女―……



俺は蓮のことが好きじゃない…?


嘘だ。
蓮のことは好き。


じゃあ、なんで好き…?


なんで…好き、、、?



―……愛のない彼女だっているんだよ……




そんな…
違う、そんなの違う―…


俺には蓮が必要だったんだ。
蓮にも、きっと誰かが必要で…



…でも、



だから、お互いの溝を埋めるタメに、俺たちは付き合ったのかもしれない―…



…愛情があって付き合った訳じゃなかった…──



屋上で蓮の泪を見たとき、想ったんだ。



手をさしのべてあげないと…
助けてあげないと…って。



…今、解ったかもしれない―…



この感情こそが…



“同情”だったんだ―………




< 216 / 323 >

この作品をシェア

pagetop