キミ色
2:蒼いコップ
もう空羽が来てから1週間ぐらいたっただろうか?
俺はいつものように学校から帰ってくると、既に中には空羽がいた。
この頃、少しずつだけどようやくこの生活に慣れてきた。


ガシャンと鳴ったドアの音で気づいたのか、ひょこんと顔だけ出してこっちを向いている。


「おかえんなさい。」



そっと言われた言葉。
いつの間にか、こんな言葉の存在も俺の中で消えかけていた。



未だに癖で出してしまう鍵をげた箱の上に起き、空羽のいるリビングに向かう。


「…ただいま。」



使うのもどこか恥ずかしい。
1年前まではいつも言っていたなんて、なんか想像がつかない。


1人という環境がいつの間にか俺を大きく変えていたようだ。


そして、いつも通りお決まりの場所に向かう。


冷蔵庫を開けて取り出すのは、勿論甘酸っぱい香りを漂わせるレモンティー。
少しだけ欠けてしまっているコップを取り出し、ことことと流し入れていく。



ふと空羽を見ると、空羽はあるものを手に持って真剣に眺めていた。



遠くからでよく見えないが、空羽が興味津々なのは雰囲気からして伝わってくる。



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