キミ色
「空羽、いる?」



「ううん。ありがとう。」



一応空羽にも確認を取り、コップを1つ直しレモンティーも冷蔵庫に入れた。
返事を返すとすぐにまた紙に夢中になる空羽。



何だあの紙?



俺は移動し、空羽が座っている床の後ろにあるソファに腰を下ろした。
ごくんと一口流し込むと、後ろから空羽が見ている紙をこっそりと確認する。



見た瞬間に空羽が見ていたものが分かってしまった。
それは、その紙の右上に高校の名前が書いてあったからだ。




“月見ヶ丘学園高等学校”




そう、空羽が見ていたものは俺達の学校のパンフレットだった。
そして、空羽が開いている欄の見出しには大きく“クラブ活動”とプリントされてある。




クラブ…?
空羽はクラブに入るのか?
そんな小さい体で出来んの…?



運動系はまず無理だろう。
空羽の髪の毛からして無理だろうし、身長のリスクは結構でかい。



そうなると、文化系なのかな。


吹奏楽部とか?
美術部とか?



でも、どっちかというと空羽にはこっちの方が似合っているように感じる。




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