キミ色
街の中に声が飛んだ。
一際大きな声が…



泣きそうだ…
そう言われてしまえば、否定はできない…



俺は蓮を裏切った……



「櫂…」



「空羽、お前先行ってて。」



俺は俯きながらそう諭した。
素直に従った空羽は、とぼとぼと先に歩いていく。




スイレンの花を揺らしながら……─



「新しい女か?」



「…違う」



「嘘つけ!じゃあ、何でこんな花屋の前なんかで一緒に居んだよ!?」



違う…
そうじゃない。



でも…、誤解されても仕方のない状況なのも確かだった…




「お前、まじで何考えてんだよ!蓮がどれだけお前のこと…」



辛い…
苦しい…
どうしたらいい…?




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