キミ色
俺の頭の中には、逆のことが考えられていた…。



子供達に茎を折られたり、踏みつぶされてしまうんじゃないか、って…



でも、こんなことを口にだして言いたくなかった。



俺も空羽が想ってるようになればいいって強く想うから…





空羽は次から次へと鉢のなかから、花を取り出していた。
土に埋もれていた根っこが姿をみせる。



全ての花を取り終えた時には、もう両手いっぱいに抱えるほどあった。




よくこんだけ入ってたな…



思わずそう関心してしまう程の量だった。


「じゃあ、行ってくる!」



いっぱいの花に囲まれながら空羽は、扉をかろうじて開けた。



危なっかしい。



背が低いから余計に、見ててハラハラする…。




まさか、このまま帰ってこなくなったり…



何考えてんだろ…俺。
あり得ない…?


でも、その様子はどこかあの日を思い出させる要素があったんだ。





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