キミ色
抱きついてきたのは、紛れもなく聡君だった。
可愛い笑顔で俺を見つめる。



「…誰?」



少し怯えた様子で聡君を見つめる空羽。
その姿は、何故か怖がってるように見えた。



「蓮の弟だよ。聡くん。」



空羽に紹介すると空羽は少しだけ笑顔を見せて、すぐに作業に戻ってしまった。




…空羽?



いつもと違うような…?
俺、なんか悪いことでも言ったかな…




「ねぇ、櫂!むこうで一緒に遊ぼうよ!!お姉ちゃんもいるんだよ!」



俺のTシャツが聡くんによって引っ張られる。



聡くんには悪いけど…
今日は、しなきゃいけないことが山ほどある。



それに…、正直蓮に逢うのは少しうしろめたかったんだ…




なのに…


なのに…




どうして、あんなこと言ったんだよ…空羽?




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