キミ色
「…っ今度はあたしが言ってもいい?」



「………?」



蓮は1回深呼吸すると、ゆっくり俺を見つめて喋りだした。



「友達では居て欲しい…」



それは、去年俺が言った言葉と全く一緒の内容だった。



俺の答えは決まってる。




「勿論!」



蓮は俺にとって大事な存在。
たとえ、恋愛とか彼女とかとは違っても…



大切な人に変わりはないから。




たくさん傷つけて苦しめて…
でも、それでも蓮がそう望んでくれるなら、俺は喜んで応えたいんだ。



そんな風に捉えられるようになったのは、きっと空羽のおかげかな…
マイナス思考だった俺に少し隙間を作ってくれた。



空羽に、感謝しなくちゃいけない。



「じゃあ!」



俺はその言葉を言って公園を去った。





必死で走り家に帰ると、案の定リビングはぐちゃぐちゃだった。



やばー…
流石に片づいてなさすぎる。




ふと空羽の部屋を見ると空羽は疲れ果てたようにベッドで眠っていた。





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