キミ色
…花音のこと…―?




「っ時雨くん?!」



慌てて声をかけたのは空羽だった。
心配そうに見つめる空羽。




何か…あるの?
さっきの空羽の言葉も…




みんな何か知ってるの…?




「大丈夫。」



「そんな…っでも!」



「俺は大丈夫だから。空羽ちゃん、傍にいてくれない?」




空羽は戸惑うようにゆっくり頷くと、今度は俺を見つめた。




俺が空羽を見つめ返すと、さっと空羽は視線をそらした。





何だよ…
何、隠してる?




「櫂…ごめんな、…俺ずっと言わなきゃいけないって思ってた。」




「………」




「花音はさ…花音は…」
















「……お前のことが好きだったんだ…――」













< 314 / 323 >

この作品をシェア

pagetop