キミ色
俺は、空羽を残してその場を去った。




次々と花音が頭の中に溢れ出す。




怒ってる顔。
泣いてる顔。
悩んでる顔。
そして、笑ってる顔…





花音…、花音…





本当なの?
時雨が言ったことは事実?




嘘だよね。
まさか、本気だなんて言わないよね。




嫌だよ…俺。
絶対嫌だ。





もし、本当だったら余計に悔しさがましてしまうよ…



キミを失ってしまったことも…
キミを傷つけてしまったことも…




全部全部、後悔に変わる。





花音を遠ざけようとした。
自分が辛くなるのを逃げるように。





だけど…
それも全部花音にとっては逆効果だったの…?





いや、違う。
そうじゃない…、そうじゃない…―




花音は、時雨が好きだったんだ。
時雨のことが…





だから、3人の友情を潰してまで時雨と付き合ったんだろ?







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