キミ色
みーは俺を懐かしい場所に連れて行ってくれた。
着いてみるとそこは昔良く4人で喋っていた小さな丘だった。



「もう花音、2年も経つんだね」



町を見下ろしながらみーはしみじみとそう言う。
“もう”か…



俺にとっては“まだ”な気がした。
これはまだ吹っ切れてない証拠なのかな…





「みー、さっき時雨にも会ったよ。」




「え…」




「だけど時雨、なんか元気じゃなかった。なんかあったの?」




不思議そうに顔を覗き込んでくる、みー。
その表情に押しつぶされそうになる





「…なんで俺に聞くの?」





「は?何言ってんの?2人いっつも一緒じゃん!時雨のこと櫂に聴くのは当然でしょ?」





みーの言葉が強く強く胸に響く。
何かを掴まれたかのように…








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