キミ色
「…もしかして、時雨となんかあった?」




ない、と言えば嘘になる。



本当はずっと引っかかってる…
さっきの時雨の表情も言葉も笑顔も




どう処理していいか解んない。
頭の中がぐちゃぐちゃで…







「…時雨が…、変なこと言うんだ…」




「…変なこと?」






「花音は俺のことが好きだったんだ、って…」





その時、一瞬強い風が吹いた。
その風に誘われるかのように、みーの表情が変わった気がした。





「本当に時雨がそんなこと言ったの?」




静かな丘の上で、みーは静かに呟く。
そんなみーの表情を俺は見逃さなかった。





「……あり得ないよな…?」




お願いだよ、みー。
あり得ないって言って?




そんな訳ないって言って笑って。
花音の唯一の相談相手だったんだろ?





みーの言葉を信じるから……―







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