キミ色
4:2つの想い
「…っ櫂!…っ櫂!」



その少し囁くような声に目を覚ますと、次に聞こえてきた音は雑音だった。



《ピンポーンピンポー…ピンポーンピンポーン!!!!》




チャイムの連打に、たまにドアをドンドンと叩く音まで聞こえる。
これをする奴といえば─…



そう思い起き上がると、空羽は少し震えた手で俺のTシャツを掴んだ。




「借金取りさん…?」


「…そうかも」




真顔でそう言う空羽に少しの冗談をかまし手を放すと、空羽はまたそれを本気にして目をでかくした。



「…うそ!!?」



「…っはは。本気にするか?普通。んな訳ないだろ」




そう言いながら玄関に行き扉を開けると、すかさずあいつが入って来た。
そうあいつとは…時雨だ。




「櫂!!!!お前、蓮とヨリ戻したの!?」




俺の目を見るやいなや大きな声でそう言う時雨は、俺の肩を掴んでくる。
一気に俺の肩を揺らす時雨は、興奮状態が治まらない。




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