キミ色
はぁ─…。


深い溜め息を心の中で零すが、そんな暇もなく時雨の攻撃は続く。
俺の体は、朝からメリーゴーランドに乗っているようにずっと揺れている。


「おい!櫂?!聞いてんのかよ?!!!!どーなんだよ?!」



時雨の最後の一言で少しの沈黙が続き、空気が固まった。
さっきまで冗談を言っていたとは思えないほど、冷たい空気が流れ出した。



「…付き合ってるよ。」



少し大きめの俺の声が部屋に響いた。
時雨には勿論のこと、空羽にも聞こえただろう。



そう、俺達はあの花火の日を境にヨリを戻した。
俺はあの日絶対に蓮を守りぬくと決めた。


蓮の抱えてるものを少しでも軽くしてあげたい。
そんな気持ちが俺の胸を占領した。




─…俺が救ってやると、自分自身に“誓い”をたてたんだ…─




「…櫂、ちょっと外出れるか?」


時雨の声のトーンが少し下がった。
低くなった時雨の言葉に刃向かう理由なんて俺にはない。



時雨の声に素直に従った俺は、時雨と一緒に部屋を後にした。




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