キミ色
時雨について行くと、時雨といつも溜まっている公園に辿り着いた。
時雨はすぐに自動販売機の前に座り込んだ。


喉が渇いていた俺は自動販売機で朝のレモンティーを買いながら、携帯電話を取り出した。


「時雨、電話かけていいか?」


「…おう」



俺は確認を取り、電話をかけた。
電話の相手は、蓮だ。


実は、今日から一緒に登校することになっていた。
それなのに、いきなりすっぽかすなんてあり得ないだろ?


《もしもし?》


《もしもし、蓮?》


《うん、おはよ。どしたの?》


《今日、やっぱ学校行かねぇわ》


《…え?》


《明日は、絶対行くから》


《うん、分かった。もぉ、あんましサボっちゃ駄目だよ?》


《分かってるって、じゃあな》


《はーい。ばいばい》



最後に言葉が聞こえたのを確認して電話を切ると、時雨の横に腰を下ろした。
時雨は、俺の顔を何とも言えない表情で見つめてくる。



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