キミ色
俺達は公園を移動し、もう一度俺の家に帰ってきた。
公園でも良かったのだが、外が少しずつ暑くなってきたので流石に我慢出来なくなり部屋に戻ってきたのだ。



季節は一歩一歩確実に夏へと近づいていた。





「櫂!!早く開けろよぉー」


暑さに耐えられないと言うように、時雨はダルそうにそう言った。
時雨はあの会話以来いつもの時雨に戻り、俺達の関係ももうすっかり元通りになっていた。



俺はひっついてなかなか出てこない鍵をポケットの中から探り出し、ようやく扉を開けた。
部屋に入り込むと、一気に窓を閉めクーラーを点けに走る。



「暑ーーー!!!暑い、暑い、暑すぎる」



確かに俺の部屋は日当たり抜群で、洗濯物も良く乾く。
冬は大活躍なのだが、夏は正直大迷惑だ…



時雨はそう叫びながら俺の部屋に入ってくると、適当に小机の上に置いてあったパンフレットをパタパタと仰がせた。




俺はクーラーを点けると冷凍庫をあさったが、俺の期待には応えてくれなかった。



「時雨、アイスないわ…」


「えぇー!?まじかよ?普通風呂あがったらアイスだろ?」


「俺はそんな頻繁に食わねぇの」



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