キミ色
「ほら!櫂も!!早くしないと、トースト冷めちゃうよ?」


そう言葉を残すと、蓮も1階へと続く階段を歩いていった。


1人ぽつんと残された俺。
蓮の指示に従い部屋を出ていくと、廊下にさっき聡クンが持っていた戦隊物のヒーローが転がっていた。



それを拾い上げると、知らず知らずの内にヒーローに対して微笑んでいる自分がいた。



お前は、聡クンのヒーローなんだな…


聡クンの心の支えなんだな…



なぁ…?
俺も…、なれるかな、、?




俺も、お前みたいに蓮の心の支えに…




俺も…、蓮のヒーローになれますか―………?




俺は、ヒーローからさっと視線をズラすと、1階へと向かった。


「櫂!遅いよ!!」


1階に行くとすかさず聡クンが、足にくっついてきた。



「悪ぃ、悪ぃ…ごめんな。」



「悪ぃ、悪ぃ、じゃないよ!謝んなくていいのに…
ってか、大体何であんたが櫂のこと呼び捨てなのよ!!」



聡クンの方を若干睨みながらそう言った蓮は、テーブルにサラダを並べた。


「はい、出来た!!食べよう?」


蓮の声に聡クンが座った。
俺も、蓮が引いてくれている椅子にお礼を言いながら座る。



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