キミ色
5:光る砂浜
時計の針が11時を迎えようとしている頃、蓮と聡クンが俺を呼んだ。


「櫂!!行こう?」


「うん」


リビングでテレビを見させてもらっていた俺はテレビを消し、声のする方へと歩いていった。


目の前に見えたのは、可愛いワンピースに身を包む蓮の後ろ姿だった。


久しぶりに見た、蓮の私服姿。
やばい…、可愛い。



ミュールを履いている蓮の両手いっぱいに持っている荷物を取ると、蓮はようやくこっちを向いた。



正面から見ると余計に可愛く見える蓮。
蓮は少し顔を赤らめると、下を向いてお礼を言った。



「…ありがと」



「どういたしまして」



ほんのりとのせたメイク。
何時間も待たされたのはきっとこれのせいなんだろう。


でも、こんなの反則でしょ?


だって、代わりにこんなに可愛い女の子が出来ちゃうなら。
誰でも、何時間だって待っちゃうよ…



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