欲しいもの
欲しいもの
「みさきぃ」
私は辰巳のこの声に弱い。甘い、あまぁい声。この声でお願いされたら、絶対に断れない。
「あのね、欲しーものがあるんだぁ」
洋服に家具に家電、アクセサリーや香水は沢山買ってあげた。
今度は一体何が欲しいのだろうか。
「次は何が欲しいの?私に買える物だったら何でも買ってあげる」
私を利用する辰巳も酷いけど、それを知ってて利用される私も馬鹿な女。
「うん。あのね…」
耳元で囁く辰巳。
「みさき…が、欲しーんだぁ」
……は?みさき?みさきって私?私が欲しいってどうゆう事?
「それって……どうゆう意味?」
辰巳は誰もが見惚れる笑みで話始めた。
「そのままだよ?みさきに可愛い服を着せて逃げないよーにしっかり閉じ込めるの。誰にも触らせないし見せない。俺だけのみさきにしたいんだぁ…」
「つまりは、監禁?」
「違う違う。みさきを俺のものにしたいだけー」
やってる事は監禁だよね。
「──ねぇみさきぃ」
辰巳は又あの声で囁く。
「みさきがどーしても欲しーんだぁ」
止めてよ、そんな声でお願いされたら、
「駄目?」
断れないじゃない。