心のキョリは1センチ
やがてバイクの音も消えていく。



広い道から、
人しか通れないような路地に入った途端、
私の前に知らない男の人が現れた。


背が高くて、全身黒の服。
年はあまり若くなかった。
男の横にはバイク…。


さっきの人だろうか!?


「ねえ、家どこ?送ってってあげるよ。」

話しかけられ
怖くなった私は
男を避けて早足で歩いた。


「ねえ、遊ぼうよ…」


分かったんだ…
男の声が変わったことに。


走った時には、もう遅かった…。


簡単に追い付かれ
腕を捕まれて草むらに勢いよく投げ飛ばされた。



助けて!!!!!!!



響き渡る私の声。


でも、誰も助けにきてくれるはずなんてなかった。


私の声が届くはずなんてなかった…


「うるせー!!黙れ」

私の叫び声に反応して男が
口を手で押さえつけてきた。


「さあ、何して遊ぼうか!?
叫んだら殺すからな!!」


男の力はものすごい強くて身動きがとれない。

声を出すことすら出来ない。


どうなるんだろう…
このまま体奪われて下手すれば殺される…



男は、
自分の舌を私の口にいれてきた。


純情じゃない吐き気が私を襲った。
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