心のキョリは1センチ
「黙れ!!叫んだら殺すからな!!」


夢の中までも汚染され、連鎖する言葉。


「うあああああああああああああああああ!」


部屋中に鳴り響く声。

もがく体。

放心状態になった。


震える手でカッターを取りだし、
腕を傷つける。




腕に走る痛みが、
胸を苦しめた。


とめどなく流れる涙。


コントロールさえ出来ない。



「痛い、苦しい。
誰か…誰か…。」




バイクの音、
人混み、
男の人…
集団…

フラッシュバックする記憶。





なんで、ここまで落ちたんだろうか!?

ひろを失っただけで
じゅうぶん苦しいのに、
なんでこんな思いをしなくては
いけなかったんだろうか!?



もう、人の温もりに触れられないのだろうか!?














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