隣の席の君。




「全然ダメじゃん!!
 特にアルトは~…」


うん。
もう何度も言われてるよ…


さすがに心がズタズタです。




「土日に自主練してきてね?
 じゃあ終わり!!」


「はぁ~い」

アルトのやる気のない返事と共に
えったんが振り向いて

「終わったね~~!!
 帰ろー!」

あたしの乗っている机に
体当たり。

“ガタッ”

「わゎっ!!」

あたしは間抜けな声をだして
後ろに倒れそうになった。


倒れるー!!



でも

「危ねぇー…」

中村があたしの腕を
危機一髪つかんでくれた。

(キャー//)

「あ、ありがと…」

「おう」

そう言って、
男子の輪に入っていった。


「あははは!」

「えったん!笑い事じゃないって!」


マジで危なかったのに。
えったんは大笑い。


「ゴメンゴメン。
 でもよかったじゃん(笑)」

まぁそうかもしれないけど…



「もう帰ろー!!」

あたしはえったんの背中を押して
教室を出ようとした。



中村の横を通り過ぎようとしたとき、

「さよならー」

いつもは言わないのに
えったんが中村に向かっていった。

「んー」

中村は手を振って言った。



コレって…
あたしも言わなきゃダメかな?

ちょっと悩んでると
中村と目が合った。


「さ、さよならー」

噛みながらも言ったけど

「・・・・」

返事なし?

「えぇ…」


でも
そう言うと

「じゃあな(笑)」

ニコッと笑って言ってくれた。

あたしは嬉しくて
つられて笑顔になって
「バイバイ!」

と言ってえったんの元に
走っていった。




「イチャイチャするなや~(笑)」

えったんにいじられながらも
嬉しくてニヤニヤしてしまった。
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