オレンジ

「ちょっ…!翼っ!待っててばっ!!」


追い付いた深雪はあたしの手を掴んだ
それと同時にあたしの足も止まっていた


『…ごめん深雪!ダメだったみたい!』



「うぅん!全然いいよ!それよりどうしたの!?いきなり走りだすし…しかも涙目だよ…

あっ!もしかしてあの先輩のこと!?

あれはちょっとしつこかったよねぇ!翼、気が弱いから怖かったんでしょ!?(笑)」


『…みゆきぃいい…グスッ…』


「はははッ泣かない泣かない!あっ!今日は映画なんてやめて、カラオケ行こう!
カラオケにでも行ってストレス発散じゃ!」


『…ぅうッありがとぉお深雪!大好きぃい』

「ぁはははッ翼ったらおおげさだしッ!」


あたしは深雪の気遣いがうれしかった


でもこの選択がいけなかったんだ



この時…
おとなしく映画に行っていれば苦しい思いなんてしなくてすんだのに…




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