オレンジ

俺は結局、優と翼を見つけることができず
時間だけがすぎていった…



『茜…もぅ暗くなってきたしそろそろ帰ろぅぜ。俺は疲れたよι』


「翔ったらだらしないなああ(笑)」



いやいやιお前が元気ありすぎなんだよ



「……わかった!じゃぁ帰ろっか!」



『おぅッ!ぢゃぁ優と翼呼び出すぞ?』



俺は優と翼の事が気がかりでならなかった…


早く翼の顔が見たかった



なのに…


「ストーップ!翔!さよならのキスして」




………!?



「はぁッ!?お前え何言ってんの!?」



「ほらッ!昔よくやってくれてたじゃん!ねっ!」




『…いつの話しだよ』


俺と茜は中学の頃に一度だけ付き合ったことがある


理由は


翼への思いを忘れたかったから



でも忘れることができず結局終わってしまった




茜にはすごく申し訳ないことをしたと思っているが今もよき友人として側にいてくれるから



すごく嬉しかったのに


何で急にこんなこと
言い出すんだ?




「お願い!じゃなきゃ帰さないから…翔ならこの意味わかるよね…?」




『………わかった。でもこれっきりだから』



俺は早く翼に会いたくて…




茜にキスした…





これを翼が見ているとも知らずに…






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