運命に導かれて


「ジャンさん!これからルカのところへ行くんですか?」



ルカと呼び捨てにするのも漸く慣れた頃



羽衣はアリーと中庭で日向ぼっこをしていた。



廊下の向こうからワゴンを押す音が聞こえてそちらを見やれば、いつもながらに執事服がこれでもかというほど様になっているジャンの姿。



「ええ。もうすぐ3時ですから。」



吸い込まれそうな程大きな羽衣の瞳がキラキラ輝いていて


そんな瞳でジッと見つめられればジャンは嫌な予感しかせず


笑顔ではいるが整った顔も少し歪んでみえる。






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