運命に導かれて
残されたルカはこれ以上ないくらいに顔を赤く染めてしばらく呆然とする。
「文句のひとつでも返してくるかと思えば、何素直に肯定してんだよ。俺が逆に赤くなってどーすんだ。」
ルカの呟きは虚しく響いて消えた。
無意識、無自覚、計算されていないことの恐ろしさを身を持って体験したルカ。
言い寄ってくる女は吐いて捨てるほどいたが、本気になったのは羽衣だけ。
一回りも下の彼女をリードしているつもりでも、その実初めての本気の恋にドキドキさせられっぱなしなのだ。