運命に導かれて
「そんなのすぐに覚えられる。俺がリードするし。きちんと教えてやるから。」
「でもでもでも………。」
絶対無理だよ。
羽衣が泣きそうになりながら呟けば
それまで黙って控えていたジャンが口を開いた。
「困りましたね……。ルカ様はお忙しいですから、仕方ありません。私が1ヶ月みっちり教えて差し上げます。」
「「はぁっ?」」
思いがけない提案にルカと羽衣の声が重なる。
「ジャン。お前羽衣と踊りたいだけだろうが、ダメだダメだ。羽衣と踊るのは俺だけだ。羽衣に少しでも近づいてみろ。お前を解雇してやるからな。」
「「えぇっ?」」
フンっと鼻息荒く暴言を吐いたルカに今度はジャンと羽衣の声が重なる。