運命に導かれて
そんなふうに言ってもらえて本来ならば喜ぶべきところなのだろうが
今の羽衣はそれどころではない心境なのだ。
「ルカ様。お言葉ですが私はそのように思っているわけではなくて、パーティーの為に言っているのです。」
「それならばそんなパーティー出なくていい。」
ルカはますます不機嫌になっていく。
そんなルカを横目に少しずつ冷静さを取り戻していく羽衣。
きっとルカが何を言ったところでパーティーを欠席することなど不可能だろう。
羽衣が踊れなければルカが恥をかくのは必至だ。
ならば羽衣の選択肢はひとつしかない。
「あたしパーティーにはきちんと出席します。だからダンスの練習も頑張ってする。」