運命に導かれて


ヒールも漸く違和感なく履きこなせるようになり


ワルツもなんとか形になってきた頃にはパーティーはもう目前だった。



あれだけジャンと練習することに難色を示していたルカも


公務だなんだと忙しく羽衣に会うことすらままならない毎日を送っていた。



「羽衣様。最初に比べればかなり上達致しましたね。これならルカ様と並んでも、というよりはルカ様のリードならきっと素敵に踊れることでしょう。」



「ありがとうございます。ここまでできるようになったのもジャンさんのおかげです。ルカに迷惑かけないよう頑張りますね。」



羽衣はなんとかやりきったこととジャンに褒められたことが嬉しくて満面の笑みを向けた。



あとは本番。
羽衣は一番に褒めてもらいたかった人がいる。



初めてのパーティーは不安のほうが大きいけれどそれでもルカと一緒に楽しめたらいいなと思う羽衣だった。





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