運命に導かれて
第10章
パーティー当日。
羽衣は午前中から鏡の前でまるで着せ替え人形のようになっていた。
ドレスを着せられ、メイクに髪にと
鏡の中の自分は、自分であることさえわからなくなる程に変わっていく。
「羽衣様とってもお綺麗です。」
「ありがとう。アリー。なんだか自分じゃないみたい。」
「こうしてお化粧されると普段からぱっちりとして可愛らしいお顔立ちですが、また印象が変わって本当に綺麗ですね。」
羽衣は普段化粧という化粧はすることがない。
本人はまるで無自覚だが元々クリクリと大きな目、白い肌、血色のよい唇は素顔でも十分に愛らしかった。
ただ童顔な羽衣は化粧を施すと途端に可愛らしいから綺麗に変貌を遂げてしまうから驚きだ。