運命に導かれて
「やっぱり……変?」
そんなルカを前にして羽衣は今にも泣きそうだ。
「羽衣っ。泣くな。違うから。違うんだ。」
「ルカのばかぁ〜。何が違うの?そりゃあたしみたいな子どもがこんな素敵なドレス似合わないのはわかってるけど……。」
「っ。だから違うんだよ。似合ってる。可愛すぎて誰にも見せたくないくらいだっ。」
まくしたてたルカの顔は真っ赤に染まっている。
勿論羽衣の顔もルカと同様に赤く染まっていて
なんとも微妙な空気の中アリーがコホンと咳払いをひとつ。
「お2人ともそろそろお時間ですよ?」
ルカと羽衣はアリーの声にその存在を今更ながら意識して
身体から蒸気でも出そうな勢いのまま、慌てて廊下へと飛び出して行った。
アリーはそんな2人を微笑ましく思い、胸が温かくなるのを感じていた。