運命に導かれて
しばらくしてリムジンは静かに止まる。
ルカに続いて車を降りると羽衣の目の前にはクレモント家とはまた違った大きな城。
自分もこんな大きな城にお世話になっているとはいえ
元々城等教科書でしか見たこともない高校生。
只ひたすらその荘厳さに驚き圧倒される。
「すごい……やっぱり世界が違いすぎるよ……。」
「ん?どうした?行くぞ?」
ルカにはこれが当たり前の光景で、何度も訪れているのだろうこの場所を
羽衣をエスコートしながら慣れた足取りで進んでいく。
ホールに入れば煌めくシャンデリアの下、羽衣は明らかに自分より年上であろう綺麗に着飾った美人な女性ばかりが目に付き、ルカにばれないようにそっと溜め息を吐く。