運命に導かれて


「羽衣。ごめんな。今から仕切り直しだ。一曲お相手願えますか?」


差し出された手を今度は迷わずとる。



「はいっ。喜んで。」



羽衣はにっこり微笑むとルカに導かれてホールの中央へと進む。



今更緊張が甦ってきたがあれだけ練習したんだから大丈夫と言い聞かせる。



緊張を読み取ったルカは、俺に任せてと羽衣に耳打ちをする。



曲が流れると共に、羽衣の身体は軽やかにしなやかに踊る。


ルカのリードは初心者の羽衣さえも羽が生えたかのように踊らせてしまう。



ほんの数分がまるで夢のような時間に思えた。








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