運命に導かれて
アリーに導かれるままに
既に用意が整った部屋へと足をすすめる。
「うわぁ。」
羽衣の口から思わず感嘆の声が漏れる。
「お気に召しましたか?」
お気に召したかとかそういう次元の問題ではない。
羽衣の目の前に広がるのは
昨日一晩過ごした部屋とは何もかも違う景色だった。
何十畳もあろうかという広い部屋には
天蓋付きのベッドや高貴な家具が備え付けられている。
大きな窓、その先にはバルコニーまであり
それはさながら羽衣が知っているおとぎ話のプリンセスが生活している空間のようだ。
羽衣が呆然としている間にも
アリーは次々と部屋の説明をしていく。
クローゼットには既に何着か洋服が用意され
部屋の奥にある扉を開ければバスルームへと繋がっていた。