運命に導かれて


挙式直前、2人は国王と話をしていた。



「羽衣。本当にありがとう。ルカが真面目になってくれたのも羽衣のおかげだ。こうして婚礼の日を迎えられて、そして私の娘になってくれたことも、とても嬉しく思っているよ。」



「国王様……。あたしこそこんなどこから来たかもわからない人間に優しく接してくださって本当に嬉しかったです。それからルカ…ルカ様と今日の日を迎えられたこととても感謝しています。」



羽衣は深々と頭を下げる。


「頭を上げなさい。それから私の前だからと言って気を使わずにルカのこともいつも通り呼ぶとよい。元よりルカが私を敬う態度ではないしな。」



国王がハハハハと大声で笑えばルカが悪態をつく。


一国の王、王子ではあるがその前に普通の親子なのだと羽衣は感じていた。







結婚式は滞りなく進み、2人は晴れて夫婦となった。

どこまでも甘く、甘い2人の時間はこれからも続いていくだろう。






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