運命に導かれて
久しぶりの快晴。
これは羽衣も嬉しいようでいつもよりほんの少しだが顔色もよく見えた。
帰り方を探そうにも探し方すらわからない。
気ばかり焦るがどうにもならない。
そんな中で降り続く雨はまるで羽衣の心のようで気持ちは沈む一方だった。
しかしこうして太陽を見れば
その沈みきった気持ちをなんとか前向きにできる気がして
アリーに向ける笑みにも力がわずかに入れられるようだった。
晴れたからといって部屋から出ることはしない羽衣。
部屋から出なければ帰り方を探すこともできないのかもしれないが
気持ちを落ちつけられる空間は
この与えられた部屋しかないように思えた。